∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ 追悼演説 ≡≡

強大な政敵との一騎打ちが生んだ深い敬意

 今日、衆議院本会議で野田元総理による安倍元総理の追悼演説が行われた。、当初はテレビニュースで断片的に知ればいいと思っていたのだが、感じるところがあって全文を探して読んでみることにした。

 見事な演説だった、と思っている。

 特に、中盤以降に展開された因縁の政敵に対する敬意溢れる言葉には、強大な力をもつ敵と一世一代の闘いを繰り広げた者だけが体感できる感情が込められていた。
 政治であれ戦争であれ、勝者には多くの名言が残されている。たとえば「敵ながらあっぱれ」というような言葉である。それに対して敗者には「敗軍の将は兵を語らず」というような敗者の態度を諫める言葉がほとんどである。
 置かれた状況や相手の力量を離れて、敗者が勝者に敬意をもって接することは凡人には難しい。せいざい「軍門に下ることなく、潔く負けを認める」程度が精いっぱいかもしれない。よほどモノゴトを客観的かつ俯瞰的に見つめないとできないワザである。
 野田元総理は、けっして「敗残の将」になることなく、戦場で対峙した武将同士だけが体験する心情をもとに安倍元総理に語りかけた。

 しかし、こんな立ち位置を「負け犬の遠吠え」と捉える人間もいるはずだ。なかには私のように第一印象だけで評価を下していいのかどうか、直接野田元総理自身にその心情を聞いてみたいと感じている人間もいるだろう。

 ひょっとすると、今日の演説で私は「敬意の意味」について教えてもらったのかもしれない。
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[season12/1025/25:30]
霜降』‥朝夕の冷え込み。鍋物。動物たちは冬ごもり直前。
photograph:PORT of KOBE view from Mt. nagamine, kobe city
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