──金・グレー・青──
区分けした先にあるものに
首を傾げたくなる
ツイッターのイーロン・マスク氏が「12月2日から認証マークを企業は金色、公的機関はグレー、個人は青」の3色に色分けすると発表した。
属性を明らかにする区分け自体は「なるほど」と頷くだけだったが、それによって課金の金額が変わるのかどうかは未だに発表されていない。
認証マークは1カ月US8ドルにすると発表したものの、なりすましアカウントの多さが災いして実施出来ずにいる問題にもつながるものだが、善意に解釈すれば、課金実施を後回ししてでも属性をはっきりさせる必要があるということなのだろう。
だが、強かな経営感覚を持っているマスク氏のことである。「色を分けたのだから金額だって変わって当然だ」と考えていても不思議ではない。
色分けも有料化も企業改革の一端なのだから、私のような“砂浜の砂”ほどの存在でしかないユーザーがとやかく言うことではないが、首を傾げるような改革としか思えない。
なりすましアカウントを再チェックするために停止中のアカウントを再開させて再チェックする方針も見え隠れしているようだが、以前と比べ半数以下になった社員だけで再チェック出来るのだろうか。他人事ながらマスク氏のハードワーク論のもとで働くスタッフが気の毒に思えてくる。
バックオフィスの改革は大幅な人員削減である程度進むだろう。しかし“世界の公器”と言えるほど拡大しているツイッターのフロントラインはそうは行かないだろう。世界中のユーザーを巻き込んだ大騒動になるのは必至ではないだろうか。
ところで、「カネはいくらでも払うから認証しろ」と迫ってくるユーザーが出てきても一般と同じ認証基準を貫いて毅然たる姿勢を貫けるのだろうか。
無法地帯とか荒野と言われて久しいツイッターの現実を少しでも改善させるためには、経営の安定化とともに新たなユーザールールの設定などにもドラスティックな改革が必要ということは理解できる。
だが、世界的な影響力をもつツイッターがその環境を作り出すためには、アグレッシブな経営理念に加えて、宗教観や政治体制を超えた倫理観の創成が必要なはずだ。
攻撃的な言葉で主張することが当たり前になった今、プラットフォームの思惑でそんな理想郷を作ることが出来るのかどうか疑問である。
──────────────────────────
[season13┃26 NOV. 2022 ┃25:30 JST]
『小雪』‥紅葉は最終章へ。山にはハラハラと雪が舞う。
AUTUMN SCENE:suwa-jinja, nishi-nippori, arakawa city
Photographed on 02 DEC. 2021