∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ 谷中霊園にて ≡≡

「谷中界隈桜巡り」の最後は「落花」

 今日から6日間は『穀雨末候』。「牡丹華(ぼたんはなさく):牡丹の花が咲く頃」である。美人を花に見立てた「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」という決まり文句に取り上げられるほど美しいと言われる牡丹が最盛期を迎える頃である。

 そして、五分咲きのソメイヨシノがそこかしこで目を楽しませてくれていた頃スタートした「谷中界隈桜巡り」は最終章を迎える。

 寛永寺墓所と東京都の霊園が合わさった谷中霊園には、徳川慶喜など徳川家ゆかりの人々や渋沢栄一をはじめとして、政治家、歌舞伎役者、映画俳優、日本画の大家、彫刻家、軍人、関取など歴史に名を残す人々も多く眠っている。
 そんな谷中霊園界隈には桜の見どころも多い。メインストリートの桜並木以外にも一本桜も点在している。なかには「長谷川一夫通り」のように落花の粋を愛でたくなる小路も存在する。

 今年最後の桜は稀代の名優が演出した「落花」。各家の墓に通じる小路で捉えた風景である。彼方への道を飾る落花の絨毯、のつもりである。
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[season13┃01 Apr. 2023┃12:45 JST
┃CHERRY BLOSSOM in YANAKA 9/9┃
at kanei-ji & yanaka cemetery, taito city.
Photographed on 02 Apr. 2022