∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ 10月10日 ≡≡

オッ、体育の日はどうした?

 1964年10月10日。初めての東京オリンピックの開会式が行われた。戦後復興の象徴としても、スポーツをきっかけとして戦後の日本が世界へ復帰した日としても、日本が新たな一歩を踏み出した日だ。
 そんな日を記念して翌々年から10月10日は「体育の日」として国民の祝日になったが、その後、平成12年に移動休日の「スポーツの日」と改称された。

 最初の東京オリンピックの開会式をテレビの生中継で見た世代の私には、10月10日はいつまで経っても「体育の日」のままだ。そのためかどうか、10月第二週の月曜日が「スポーツの日」という現行ルールには馴染めていない。

 今年もそうだった。10月9日が国民の休日だということに気づいたのは朝起きた時だったのだ。
 ハッピーマンデー制度で設けられた移動休日の中で「体育の日」だけはどうしても馴染めないのだ。ましてや「スポーツの日」となると “何それ” に近いものがある。

 10日が9日に変わっただけと割り切ればいいのだが、頭の中では「連休で良かった」という気持ちと「なんだか損したな」という気持ちが飛び交っている。実質的に連休になったのだから文句はないが、それでもどこか腑に落ちないものが残っている。

 幼い身ながら東京オリンピックの印象が強かったからだろうか。それとも「10月10日は運動会の日」として育ったからだろうか。あるいは、亡き母が2月11日を「建国記念の日」と言わずに「紀元節」と言っていたのに近いものがあるのだろうか。

 いずれにしても、身体に染み込んだ習慣というのは厄介なものである。何でも新しい制度に慣れろと言われても、なかには慣れないものだってあるということだろうか。
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[season13┃10 Oct. 2023┃11:20 JST
┃TOKYO : no one, no sound, no wind┃
tukiji bei(corrugated wall), yanaka, taito city.
Photographed on 01 Sep. 2022