『立冬』を表す数ある別名のなかで
二十四節季の『立冬』の節季も今日で終わります。明日からは『少雪』の節季。本格的な冬が訪れます。
二十四節季には本来の単語以外に数多くの別名が存在するのは御存知の通りです。『立冬』も「雪待月」や「霜見月」など雪や霜に因んだ名前が使われていたり、早咲きの水仙を想起させる「雪中花」という言葉が当てられることもあるようです。
二十四節季が公式表現だとすると、その別名には季節感を実感させる言葉が多いようです。正式名称だとどうしても堅苦しい表現になるため、風流や優雅を愛する人たちが使うのを躊躇うためなのでしょうか。
そんな数ある名称のなかで、私は「雪待月」という表現が気に入っています。雪が好きというわけではありません。でも「雪の予感がする季節」というだけで、寒さも雪もすべて予感させていると感じているんです。
短かった秋が終わりを告げ、本格的な冬がやってくる。寒さが苦手で、できれば一年中夏であって欲しいと思っている私ですが、言葉の世界だけは、日本らしい四季折々のニュアンスを感じるものであってほしいんです。
日々の暮らしに追われるなかのフッと気持ちが和むような “余裕” って、忘れたくありませんね。
≡≡≡≡≡≡[season14]11:30/Nov.21/2023 ≡≡≡≡≡≡
┃WINTER PRELUDE┃
Kaneiji Gokokuin(Daikokuten), Yanaka, Taito city.
Photographed on Dec.28/2021