-意味を転じて思うこと-
暗くため込めた雲
ハラハラと降ったり止んだりする雨
強さを表すものもあれば、時期や風情、あるいは気分を表すものなどなど、日本語には雨を表す言葉が100以上あると言われています。さすが雨の国。降れば降るほど表現が増えていったというところでしょうか。
東京に湿り気を与えている今朝の雨は、晩冬から初冬に掛けて降るにわか雨とされる「時雨(しぐれ)」と言ってもいいものでしょう。
先日、ある方から「時雨」には「しぐれ」という読み方以外にもうひとつ「じう」という読み方があると教えていただきました。「時を得て、ほどよく降る雨」という意味だそうです。恵みの雨なので「慈雨」とすればいいものをわざわざ「じう」と読ませてしまう荒ワザ。「慈雨」だと夏の季語になりますが、初冬なので「時雨」ということなんでしょう。
その「時雨(じう)」の意味を転じさせて、ふと、我が人生に当てはめてみたくなりました。「時を得てほどよく舞い降りてくる恵み」といった具合です。
歩んできた人生を照らし合わせてみると、出てきたのは「ここ20年以上、舞い降りてくるような恵みと出会ってないなあ」という感想でした。
そろそろ、恵みが舞い降りてくれないものかと考えるのは図々し過ぎる振る舞いでしょうか。
ひょっとすると、曲がりなりにも無事に過ごしていること自体が恵みなのかもしれませんが、できれば、目に見える形で出会いたいものです。
≡≡≡≡[season14]12:50/Nov.22/2023 -少雪-≡≡≡≡
┃GATEWAY to WINTER┃
Shinobazu-no-ike, Taito city.
Photographed on Dec.07/2020