∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

〓〓 『啓蟄』の節季 〓〓

-冬眠から目覚める頃-
別れの時と
新たな出会いへの期待

 二十四節季では今日から『啓蟄』の節季に入る。江戸時代に著された『暦便覧』で「陽気地中にうごき、ちぢまる虫、穴をひらき出ればなり」と記されているとおり、土の中で冬眠していた生物、山菜、春野菜……、世に出る時期を密かに伺っていたものすべてのものが地上、つまり、世に出てくる季節である。
 春という季節が秘めているエネルギーが、バックヤードで出番を待っていたすべての生物に活力を吹きかけてくれる。新たな芽吹きもあれば復活するものもある。一夜にして景色が変わるようなこともあるだろう。

 ところで、『啓蟄』の節季は別れの時でもある。卒業式、人事異動。それは何かと別れ、新たな出会いへ期待を寄せる時でもある。
 慣れ親しんできた世界から見知らぬ新たな世界へ踏み出す時には、何かに別れを告げる時でもあり、同時に、新たな出会いに夢を馳せる時でもある。

 春の扉を開けるドアノブに手を掛けた『啓蟄』の節季には、まだ見ぬ世界に夢を馳せて強いエネルギーを生み出す力があるのかもしれない。

≡≡[season14]23:00/Mar.05.2024 -啓蟄-≡≡
┃AS TIME GOES BY
啓蟄』の節季:強い生命力の息吹。目覚めの時。春雷。山菜。別れの時。
-Once upon a time [apartment]-
Takashimadaira, Itabashi city.
Photographed on May.02.2023