∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

高架下には宝の山が隠されている

神戸で生まれ育ち、子供ながらに元町や三宮で遊んできた僕にとって高架下は輸入品の宝庫であり、もっとも魅力的な世界のひとつだった。中国語が主流の中華料理屋で昼ごはんを食べたりもしていた。
そして東京で暮らすようになって数十年。今ではアメ横で服を探し、食料品を買い、昼ごはんを食べるようになった。ときには有楽町の高架下の焼鳥屋に出没することもある。
どのエリアも肩ひじを張ることなく、見たこともなかったアイテムを見つけたり、美味しいものを堪能できる魅力を備えている。つまり、僕は「とんがりそうなモノがなにげで手に入ったり、財布の中身を気にせずに一流の味に触れられる」のが高架下なのだと信じているわけだ。
ついこの間、山手線の御徒町秋葉原のほぼ中間あたり、今までほとんど利用されていなかった高架下に新しいショッピングエリアが誕生した。それも工房とショップでひとつの店になっている、いわば現代版の「職人見世」が出来たのだ。エリアの名前は『2k540 AKI-OKA ARTISAN』。つまり、東京駅にある鉄道起点から2540メートルのところに出現したアルチザン(芸術的感性を持つ職人)の街である。
ちなみに、自称地元民の僕も行くまでは正確な場所は分からなかった。それほど「なにもないエリア」だったのだ。
ジュエリータウンとして名を馳せる御徒町だけにジュエリーショップの比率が高いが、知る人ぞ知るの地場産業である家具や木工の店もある。江戸切子や古典文様をアレンジした商品を扱っている「クールジャパン」の店もある。電脳タウン秋葉原ならではのデジタルを応用した店もあった。しかも、谷根千エリア発のコーヒー店オーガニックコットンの店もある。
すでに小売店として確立している業者さんの新店もあるが、企業のパイロットショップ的な店や工房の主人が手探りで始めたような初々しい雰囲気の店のほうが多い。そして、そんな店のほうが圧倒的に面白い。みんな「人生最大の決断」をした人間だけがもつ「ちょっと疲れているが、緊張し、精いっぱいアピールしている」オーラがヒシヒシと伝わってくるのだ。
はっきり言おう。ここ、気にいった。僕は通いつめる。少なくとも、お店の人たちのぎこちなさが取れ、しなやかなモノ作りと応対が当たり前になるまでは通う。当然、このブログでリポートもする。あえて、乞うご期待と言っておこう。
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