∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

ホコテン再々開

◇大震災後の数週間、開催を見合わせていた「秋葉原歩行者天国」が今日、再開した。あの忌まわしい事件後中止され、ようやく再開までこぎつけたホコテンだったが、今度は大震災で自粛していたので、いうならば「再々開」というわけだ。
◇今日は僕も、ほんの少しだが、歩行者に開放された6車線の中央通りを歩いてしまった。
 もちろん、イベントなんて何もない。単純に車道が人間のために解放されただけだ。
 そのうえ、町会や商店会のメンバーらしき人たちが、やたらと多く、目立つことも以前と同じ。今日は彼らがプラカードを先頭に10数人ずつのグループに分かれ「パレード」風なことをやっていた。一般人がこれをやると規制されるのだが……、彼らは許されているらしい。
 そしてもうひとつ。ちょうど今日、解禁された都議会議員選挙の選挙運動をやっている候補者らしき人とその支持者の軍団が、なんと選挙演説をやり始めた。こういった宣伝活動も一般人には許されていないことなのだが……。
◇で、その時気がついた。何故今日なのか。これは、出来るだけ早い自粛行動からの復帰とか、被災者への支援の一環といったものではない。はっきり言うが、ホコテン再開は選挙がらみのアピール行動であると、あえて断定したい。
 というのも、演説をやり始めた候補者の言葉がそれを証明している。「秋葉原で生まれ…、秋葉原のために…」こんなことを演説の冒頭で語り始めたのだ。選挙違反かどうかはともかくとして、このホコテンを選挙、つまり政治家にとっての営利活動に利用するとは、恐れ入った。僕のような小市民には考えられない。せっかく、紆余曲折がある中で再々開したと思ったら、選挙用か、なんて思ってしまった。
◇以前のホコテンにはアンダーグラウンドパフォーマーやちょっと胡散臭い安売り業者がぞろぞろいた。しかし、それが秋葉原らしい「オタクっぽい」独特の雰囲気を醸し出して楽しかった。
 なかには怖そうなお兄さんたちもいないではなかったが、この街ではそんなお兄さんがどんなに力んでも肩透かしを食らうような異空間がそこには存在していた。だからこそ世界中から注目も浴びていたのだと思う。
 ホコテンを中止させるほど突出した異常事態あの事件だけだった。
 それがどうだ。今度は選挙運動である。まさに売名行為。正直なところ、今回のホコテン再々開には幻滅した。同時に自分が千代田区の住民でなくて良かったと実感した。
◇お願いだから、秋葉原のホコテンを続けるなら管理体制の見直しと政治の不介入に向けた見直しをやってほしい。
 これは、この場所に限ったことではなく「非日常の世界で人が解放されることで自由を実感する」という理念がホコテンの唯一の存在理由なのだから。
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