【銭湯の必須品】
「テルマエロマエでも重要な小道具になった、あのケロリン桶を販売していた会社が破綻。桶の流通には支障なし」。……こんな記事を見つけました。
自転車で廻れる東京の台東区、墨田区、荒川区のほとんどと文京区、江東区の一部の銭湯でお世話になっている僕にはドキッとするニュースです。
直径25センチ程度のプラスチック製。色は黄色。桶の内底には赤色で「鎮痛剤 ケロリン」というプリントが大きく施されている。銭湯に置かれているだけでなく、今では東急ハンズなどでも市販されている。
ケロリン桶という特別のネーミングはあるものの、結局は、何の変哲もない桶に宣伝が入っているモノです。が、しかし。この桶がない銭湯なんて銭湯ではないと言いきってしまいたいくらい、この桶は銭湯の人気者なんです。銭湯によっては丹念に手入れをした木桶を使っていることもありますが、それよりも安価でかつ宣伝まで入ったこの桶の方が銭湯らしいと感じているのは僕だけではないはずです。
富士山か松林の壁絵、コーヒー牛乳、フルーツ牛乳、大きな体重計、東京都浴場組合の広報誌、そしてケロリン桶。こんな小道具がないと「まっとうな銭湯」とは言えません。大袈裟な言い方をすれば「日常生活の中に存在するハレの小道具がケロリン桶だ」と言ってもいいでしょう。ちなみに、当然のことですが、この桶を使わないスーパー銭湯は銭湯とは別種のものです。
そんな桶の販売会社が破綻したわけです。ニュースを読んだ瞬間には「これから追加仕入れはできなくなるの」とハラハラしてしまったのですが、なんと、ケロリンの製造元が販売を引き継いでくれるとのこと。 正直なところ、これで日本の大衆文化は存続すると確信した瞬間ホッとしました。銭湯自体が減り続けている今、桶までも無くなってしまうという最悪の事態は避けてもらわないとイカンのです。
ウーン。今度の日曜は銭湯に行かねば。大人一人、450円まで値上がりが続いている桶を“表敬訪問”してきます。