∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

雪が降るかも

なごり雪、ですか】

 天気予報によると、今夜から明日にかけて東京に雪が降るかもしれないとのこと。

 なごり雪ですか、いいじゃないですか。あと1週間ほどで春分を迎えようとしている3月の中旬に降る雪なんて風流じゃないですか。ちょっと面倒だけど。
 
 社会人になった年の3月。就職先が決まり、配属先も決まっていた僕に「来月から担当してもらう仕事だから立ち会ってほしい」と配属先の先輩から連絡が入りました。そんな連絡があるなんて思っても見なかった僕は大喜びでその日を待ちました。
 そして当日。極度に緊張しながら、待ち合わせの横浜・元町へ。素晴らしくいい天気だったのを覚えています。
 仕事が始まり、数時間経ち、ようやく気持ちに余裕が出てきた僕に商店街のBGMとして流れていたある楽曲が聞こえてきました。『なごり雪』。当時、イルカが歌っていたこの曲は大流行中でしたが、BGMとなれば右から左へ聞き流す曲でしかないはずなのに、何故か、僕の心の中にジワジワと染み込んできたのです。
 春爛漫で暑いくらいだったその日、聞こえてきた『なごり雪』は学生から社会人になる僕に「学生時代を忘れることなく、社会人として活躍しろ」と言ってくれたように思えたのです。あれから数十年経った今でもこの時期になると口ずさんでしまうこともあります。僕にとってのメモリアルソングのひとつといってもいいでしょう。

 そして明日。本当のなごり雪が降るかもしれないなんて。やはりなごり雪は実際に降るより楽曲のほうが楽しそうです。

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