テンバイヤーを
我慢するか無視するか
マスク、消毒液、トイレットペーパー、おむつ……。需要と供給のバランスが崩れてしまったものを、あらゆる手を使ってゴッソリと仕入れ、インターネットを使って何倍何十倍もの価格で売りさばくヤカラ、いわゆる“テンバイヤー”が増えています。
僕もマスクが欲しくてショッピングサイトを覗いてみましたが、あまりの価格設定に怒り爆発、これなら買えなくて結構とサイトを離れてしまいました。
高いから買わないんじゃないんです。今のうちに荒稼ぎして、売れなくなったら次の目玉商品(たとえばトイレットペーパーのような)を仕込もうという悪どい商法が気に入らないんです。
明治維新の真っ只中に100数十社の企業を誕生させて日本の近代経済の基礎を作り、『論語と算盤』という名著を表して商いの王道を解き、「道徳経済合一主義」を唱えた渋沢栄一師がこの商法を見たらどう言われるのか、お聞きしてみたいものです。
渋沢栄一師といえば次期の1万円札の顔になる方としても有名です。
ここはひとつ「悪銭身につかず」の論法を適用して、“あこぎな商売”を続けているヤカラの手かは新札が素通りしてしまう存在にならないものかいと思っているのは僕だけではないはずです。
こんなヤカラの商法がまかり通っていていいのでしょうか。異常な高値で売り出されていても我慢して買わなければいけないんでしょうか。それとも僕のように近づかないのがいいんでしょうか。僕にはどこまで行っても正解が見つけれらません。答えが出ているのは「こんな奴らとは付き合いたくない」ということだけです。
テンバイヤーたちがやっているものは需要を予測して好機を逃さないという“商い”の基本からは大きく逸脱したもの。もはやビジネスではなく詐欺です。
商売をやるなら、正々堂々と胸を張って生きていける“商い”をやっていきませんか。
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