∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ カツカレー食べちゃいました ≡≡

ガラ空きなのに満席の
神保町『キッチン南海』にて

 すぐそこまでやってきているはずの春を待ち望んでいた頃に食べたのを最後にしてご無沙汰していたキッチン南海のカツカレー。神保町に行くと何故か食べたくなっていたコイツを2カ月半ぶりにありつきました。
 ちょうど僕が出歩くのを控え始めた頃でした。古書店が立ち並ぶ神保町の名物店、キッチン南海では営業時間短縮や席数減少などで感染防衛し始めていました。「新刊書店はいいけれど、古書店には自粛を要請する」という発表がされる前のことです。
 当時は、騒ぎが収まって元通りになってからにしようと気楽に考えていましたが、思いもしなかった展開が連続し、キッチン南海どころか神保町自体ご無沙汰していました。

 古書店が休業し、まるで日曜日のような様相になっている神保町を歩きながら、ふとキッチン南海を思い出したんです。
 ちょっと様子を見てみるかと行ってみたところ、なんと誰も店の前に並んでいないではありませんか。
 オッ、こうなると今日のお昼はカツカレーでしょとばかり入ろうとすると、席が空くまで待つようにと止められました。どうも1テーブル1グループ、カウンターは1席開きでということにしているらしく、ガラ空きなのに満席だったわけです。

 やっと席が空き、入店。予め並んでいる間に注文していたカツカレーがソッと置かれました。ここからはこれまでどおりです。食べている間にジワッと辛さが広がってくるあの味も変わっていません。変わったのは空間の広さだけ。見知らぬ人と肩を並べて食べる“ザ・大衆洋食”という印象はどこにもありません。

 たった2カ月半なのにやっと再会できたという懐かしさ。老舗健在という安堵感。ガツガツと喰らう満足感。気持ちだけは自粛前に戻れました。

 アー、ウマかった。たった1杯のカツカレーで気持ちまでほぐれたような気分になれました。ごちそうさま。

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