梅や桜と違って
こんなに探しにくい木だったとは
手っ取り早く梅の花を探すなら湯島天神か東武沿線の香取神社。桜の花は上野の山をウロウロすればいくらでも見つかる。それで足りなければ北区王子の飛鳥山でもいいし、駒込の六義園でもいい。
東京の下町で梅や桜を探そうとするとこんな答えが返ってくるのが一般的だ。特に桜は都市計画の一環として至る所に植えられているので、わざわざ探さなくても目に飛び込んでくる。
ところが桃となると事情が一変する。極端に少ないのだ。
とある理由で、先日から桃の木を探し続けている私にとしては大きな誤算である。
「梅が咲いたあとを桃が追いかけ、最後に桜が咲き始める」という自然の法則に従って、どこかで誰かが植えているだろうと想像していた私が甘かったようだ。
江戸時代から続く小唄や端唄で唄われる「♪梅は咲いたか、桜はまだかいな♪」に桃が入っていない理由も何となく分かったような気がする。きっと江戸時代から桃の木は一般的ではなかったのだろう。
ちなみに、インターネットで「桃園」とか「桃の木」などのキーワードで検索して出てくるのは中国料理の店ばかり。かろうじて老人ホームもないわけではないが、極めて少数派である。
キーワードを変えて「桃の銘木」で検索すると銘木を取り扱っている材木商やお箸の商品紹介しか出てこない。
つまり、エリア指定なしで探しても、桃の木がランドマークや名物になっている場所など一切出てこないのだ。
おバカなオッサンが何を言い出したのかといぶかっていらっしゃる方も多いだろうが、本人はいたって真面目である。一応断っておくが“正気”である。途方に暮れているだけだ。
今のところ、南千住の素盞嗚神社と、境内に桃の神を祀った桃祖神社が鎮座している牛込柳町の天祖神社に行けば桃の木が植わっていることだけは分かった。
しかし、神社仏閣以外でも見つけたいのだ。庭園や公園が第一候補だと思っているが、それがなければ銘木一本でもいい。
─どなたか、東京23区内で桃の銘木が植わっている所をご存知の方はいらっしゃいませんか。ご教授いただければ幸いです─
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[season12/0119/25:10]
『小寒』‥寒の入り。寒中見舞い。寒気に耐えながら春を待ち望む
photograph:suwa-jinja, nishi-nippori, arakawa-ku
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