∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ マイナカードの行方 ≡≡

やっと軌道に乗りそうな気配

 2024年秋を目標にして、現在使われている紙の健康保険証を廃止して、マイナンバーカードに一体化すると河野デジタル大臣が発表した。また、それに先立って2023年5月にはカードが持っている機能がスマホで使えるようになるとも発表された。

 そもそもこのカードは、国が管理している“国民一人ひとりにあらかじめ割り振った番号”を基本にして、簡単に住民データにデジタルアクセス出来るようにするための制度だったと記憶している。

 ちなみに当初は、専用のICカードを使えば税務申告が早くなるという触れ込みで取得を促され、その言葉につられて私も作ったが、実際の確定申告会場では出す方も受ける方も混乱してしまい、結局、次の年からは期待しなくなっていた。

 その後、健康保険証と運転免許証が一体化されるという話を聞いた時には再度期待するようになったが、デジタル健康保険証が使える医療機関が極端に少ないことや、保険証確認時の価格がマイナカードのほうが高いという驚くべき実態に呆れてしまい期待すること自体を止めてしまった。

 戸惑い、疑心暗鬼、拒否感……。マイナンバーカードほど否定的な形容詞が付いている制度もないだろう。当たり前である、制度設計自体に無理があったのだから。(政府と政治家の驕りが招いたものとは言わないことにしよう)

 思い出してみよう。発行当初、国は大袈裟なセキュリティ対策を施した発行手続きを国民に求めたが、カード自体のセキュリティレベルやデータ活用の将来性など、国民が危惧していたことには答えないままだった。これでは国民が疑心暗鬼になるのも無理もない。いわば「政府が決めたことはそれに従うこと」的な発布は拒否するに限ると国民が判断したわけだ。
 その状態が変わったのは、それまでの立ち位置を変えて「カードを作ればポイントを付与します」というキャンペーンを打ち出した時からだった。
 しかし、何に使えるのか、なぜ国民にとって便利なのかという、いわゆる“ユーザビリティ”についてはなぜか説明を避けてきた。

 それが、今回の「スマホアプリのデビュー」と「健康保険証の一体化」によってやっと前進し始めるわけだ。

 よく個人情報を国に管理されたくないから作らないという声を聞くが、タンス預金や秘密の病気などを除いて、個人情報の多くはすでに知られている。
 また、データ漏洩による悪用が心配という声も多いようだが、カード自体に情報が保存されているわけではない。要するに「他人に渡したり、失くしたり、パスワードを漏らしたり」しなければ銀行カード並みの使い方が出来るわけだ。しかも銀行カードでは出来ない本人確認も出来るようになる。
 旧来のアナログ制度を残しておけば、カード作成が難しい人にも対応出来る。

 ICチップが埋め込まれ、デジタル対応が可能になっている日本のマイナンバーカードは、本人確認が主体のアメリカの社会保障番号や韓国の住民登録番号以上に活用出来るものである。今後どのような使い方が出来るようになるのか、ちょっとだけ期待してもよさそうだ。
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[season12/1013/25:20]
寒露』‥冷気が漂い、草木に冷たい露が降りる頃。冬鳥の第一陣。
photograph:AIRFLIGHT by SKYMARK AIRLINES:HND to UKB
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