∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ 暦の上では『桜始開』 ≡≡

季節の移りのなかに
潤いの時間を見つける

 一年を24等分してほぼ15日毎に替わる二十四節気、72等分して5日間毎に替わる七十二候、折々の行事の目安になるように作られた雑節。そして日数のズレを解消させるための1年を13カ月にする「閏月」。古来、農耕民族の日本人は年月日以外の暦を作って季節の移ろいを感じながら共存してきた。
 そんな暦に当てはめると、今日からは二十四節気の『春分の節季』、七十二候の『桜始開(さくらはじめてひらく)』になる。

 今年は桜の開花が早く、すっかり暦と合わなくなってしまったが、とにかく今日からの5日間は『桜始開』である。
 とはいっても、数日間雨が降り続いているうえに、寒の戻りで急に寒さが戻ってきた今日、さすがに「さくらはじめてひらく」とは言い難い。自然のイタズラで桜の寿命が短くなるのではと心配になってくるほどだ。

 こんなズレも先人たちのおおらかさの表れである。自然と共存する生き方をするかぎり、人が考えた時の流れと自然の移ろいに差が出て当然。無理矢理調整する必要はないということだろう。

 厳密な時間管理と鷹揚に共存すべき自然の移ろい。ふたつの時間管理を巧みに使い分ければ、ややもすると世知辛くなりがちな我々の暮らしにも見過ごしていた“潤いの時間”が戻ってくるのかもしれない。
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[season13┃26 Mar. 2023┃11:30 JST
┃CHERRY BLOSSOMS in YANAKA 2/9┃
yanaka district, taito city.Photographed on 02 Apr. 2022