∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ 雷乃発声 ≡≡

かみなりすなわちこえをはっす
(七十二候:春分末候)

 細かく分けすぎた結果、季節の移ろいとのズレが大きくなり、現代の生活リズムに取り入れ難くなってしまったのが七十二候の欠点だが、そうはいっても、着実に候は進んでいく。
 今日からの5日間は『雷乃発声:かみなりすなわちこえをはっす』の候である。

 つい先日の東京のように、雷の音が遠くで聞こえ、本降りの雨が降りしきる天候のことを思い出すと「なるほど、そうか」と思わず納得してしまいそうだ。

 農耕社会のなかでは、雷が鳴り、雨が降りしきる春の日は、近い将来迎えるはずの収穫への下準備の時期だと信じられていた。
 つまり、雨水は木々や草花に成長に欠かせない水を与え、土に含まれた栄養素の吸収を促す源泉である。当然、そんな雨を予告する雷は吉兆を運んでくる自然現象と考えられていたわけだ。

 水と肥やしを与えて近い将来の収穫を促す。この自然のリズムが人間にも適応されればどんなにいいことだろう。毎年この時期以降は成長が促進され、豊かな未来が手に入り易いことになるのだから。

 雷が成長の糧になると言われても、にわかには信じがたいが、ちょっとした心の支えにすることくらいは出来るかもしれない。
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[season13┃31 Mar. 2023┃13:00 JST
┃CHERRY BLOSSOM in YANAKA 3/9┃
yanaka district, taito city.Photographed on 09 Mar. 2021