∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ 軽車両は曖昧な存在なのか ≡≡

自転車はヘルメットが努力目標に。
電動キックボードはノーヘルメット。
アクセル付き電動モペッドは事実上自転車扱い。

 フランス・パリ市では、無謀運転や死者の多さを問題にして行われた住民投票の結果を受けて、電動キックボードのシェアサービスを禁止することになった。たった7%の投票率だが反対票が90%近くに登ったことから、市が委託していた運営業者との契約をいち早く打ち切って禁止したということらしい。

 一方、日本では……。

 4月からは自転車運転の際はヘルメット着用が国が定める努力目標になった。ノーヘルメットの場合、事故を起こしたときの運転者の死亡率が着用者と比べて2倍以上になることから定められたのはご存知のとおりだ。
 ところが、この7月から電動キックボードはノーヘルメットで運転できるようになる。しかも低速なら歩道でも運転していいことになる。
 また、本来はナンバープレートの設置及び原付免許の携帯とヘルメット着用が義務付けられているアクセル付き電動モペッドを運転している人たちのなかには堂々とナンバーなし、ノーヘルで歩道通行している剛の者もいる。想像だが、無免許運転の運転者もいるのではないだろうか。

 つまり日本では現状、自転車と原付きバイクの間に位置する軽車両は曖昧な存在のものばかりということなのだ。

 政府や警察が“経済活動の自由”と“微罪処分”を意識し過ぎた結果、矛盾を抱えたままの運用基準が出来上がっているようにしか思えない。あえて言わせてもらえば“モグラたたき”と“責任逃れ”である。

 これならいっそのこと、どのような形態でも軽車両を運転するときはヘルメットの着用と、アクセル付きモペッドのナンバープレート設置と自賠責保険の加入を義務化を徹底させたほうがスッキリする。もちろん、現在の販売業者への指導も罰則付きに変更すべきだろう。
 こうやって整合性を持たせてスッキリさせれば警察だって検挙し易いはずだ。保険会社だって保険金支払いで混乱することもなくなるだろう。

 曖昧なままにしておいて、事故が起こったらその都度判断するという姿勢ほど厄介なものはない。
 残念なことに、法律には“抜け道”が付き物と言われているが、道交法のこの部分は“抜け道だらけ”としか思えない。

 法で規制するか、それとも自己判断に委ねるか。大所高所に立った真摯な議論を望むばかりである。
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[season13┃04 Apr. 2023┃12:45 JST
┃CHERRY BLOSSOM in YANAKA 3/9┃
yanaka district, taito city. Photographed on 09 Mar. 2021