∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ 『立夏』の節季 ≡≡

-季節は春から夏へ-
初夏は「花鳥風月」の季節

 爽やかに吹き抜けていく風。光り輝く陽の光。花は咲き乱れ、ツバメには子が生まれる。二十四節季では今日からの約2週間は『立夏』の節季、夏が始まる時期である。江戸時代にまとめられた『暦便覧』には「夏の立つがゆへ也」と記されている。

 ツツジ、藤、ウツギなど初夏は「花」が咲き乱れ、爽やかに吹き抜ける風に乗ったツバメたちが生まれたての小鳥たちにエサを運ぶ。そんな花、鳥、風に透き通った輝きを放つ月を加えて自然美を表した熟語が「花鳥風月」だととも言われている。
  いにしえびとが感じたのと同じように、我々も自然の美しさを実感し、享受している。この熟語には、時代が変わっても快適なものはいつまでも変わらないという永遠性まで感じてしまう。

 ところで、東京下町は『立夏』の声とともに祭の季節に入る。湯島神田神社や上野下谷神社を皮切りにして、浅草三社神社や赤坂日枝神社、そして大トリは蔵前鳥越神社。この間の約2ヵ月、下町では祭半纏姿の若衆が大活躍し、神輿を担ぐ掛け声がビルの谷間にこだまする。
 ちなみに、三社祭が斎行される浅草では、「サヤが空に向かって伸びる」そら豆が祭にはつきものとされてきた。なかには「祭がお開きになるまで、酒のつまみは枝豆ではなくそら豆だ」と決めている担ぎ手もいるという。

 せっかくの快適シーズンである。梅雨までの限られた時間だが、初夏にしか味わえない快適さを満喫したいものである。
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[season13┃06 May 2023┃11: JST
立夏』の節季‥夏の始まり。ツツジ。ツバメ。薫風。そら豆
┃METASEQUIA┃takasimadaira itabasi city.
Photographed on 16 Apr. 2023