馴染みは薄いけれど
縁起の良さでは最高の日
9月9日。季節の節目を表す五節句のうち、今年最後を飾る『重陽の節句』の日である。ほかの節句と比べ馴染みは薄くなり、いまでは暦に残っているだけの年中行事になってしまった感が強いが、実は、縁起の良さでは。
そもそも五節句とは陰陽五行説の陽日(ようじつ:一桁の奇数日)をもとにして、季節の節目を縁起の良い日に祝おうとした定着した日本古来の年中行事である。
1月1日(1月7日)の人日(じんじつ:七草)の節句、3月3日の上巳(じょうし:桃)の節句、5月5日の端午(たんご:菖蒲)の節句、7月7日の七夕(しちせき:笹)の節句、重陽(ちょうよう:菊)の節句があり、それぞれに七草・雛祭り・柏餅・裁縫・菊見などの行事が当てられている。
と書いてはみたが、それでも『重陽の節句』は馴染みの薄い存在である。古来の人が知ったら、せっかく陽日がふたつ重なる吉日だというのに、なんと礼を失したことかと言うかもしれない。
縁起が良いというのなら、菊を愛でたり、栗ご飯を食したりという行事はともかく、運気の流れ良さだけは頂戴しておこう、何が起こるのかは分からないが。
──────────────────────────
[season13┃09 Sep. 2023┃12:40 JST]
┃TOKYO : PRAY for the people┃
kaneiji ueno park, taito city.
Photographed on 02 Jan. 2023