∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ 中秋の名月 ≡≡

風流に浸るか
それとも
狂気に怯えるか
あるいは
食で楽しむか

 9月29日。旧暦で言えば8月15日である。旧暦では7・8・9月を秋と捉え、8月はその真ん中の『仲秋(なかのあき)』とされてきた。そして、その仲秋の中日に上がる満月のことを『中秋の名月』と言い習わして特別な存在と捉えてきた。
 一方、西洋では「月と陽が地球を挟んで対峙し、相反する気持ちがぶつかり合う時で、情動が抑えきれなくなる」時と捉え、満月をLunacy:狂気と捉えてきた。
 ちなみに、天文学の世界では、今年の満月は3年連続している本当の満月(15夜)の最後の年で、次に満月の中秋の名月が現れるのは7年後だという。

 満月ひとつにしても視点を変えれば多種多様。仏教用語で言えば一水四見の境地である。せっかくの満月も困惑しているかもしれない。美しいものを素直に愛でるだけでは済ませたくない人間の素朴な想像力が為せるワザというべきなんだろうか。

 どうも話がややこしくなってきた。ということで、私は見えるかどうか分からない中秋の名月は「栗名月」だと決めつけて、夕食を「栗おこわ」にすることで済ませようとしている。いわば「花よりだんご:月より栗おこわ」の境地である。

 それにしても、日中これだけ曇っているのに本当に見えるのだろうか。
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[season13┃29 Sep. 2023┃12:30 JST
┃TOKYO : signs of AUTUMN┃
todoroki fudouson, setagaya city.
Photographed on 11 Oct. 2022