プロ野球ドラフト会議はエンタメなのか
昨夜、夕方16時30分から20時までプロ野球のドラフト会議が生中継された。途中でニュースなどをはさみながらだが、いわゆる “特番” のなかでもかなりの長時間番組といって間違いない。時間だけで言えばNHKの国会中継並みである。
ドラフト会議というのは、そんなに長時間を割くべき出来事なんだろうか。以前はドラフトの一巡目か二巡目程度で終わり、最終結果は23時台のスポーツニュースで知らせるというパターンだったと記憶しているのだが、昨夜はエピソードドラマを挿入しながら九巡目まで追いかけるという “完全フォロー” だった。
誤解を恐れず言わせてもらえば、プロ野球で活躍することを目指す若者にとってドラフト会議は最高の “就職試験” で、野球ファンの多くが注目していることは理解できる。また、演出や構成、タイムスケジュールの調整など、時間を掛けただけの仕上がりになっていたことも分かる。
しかし、ここまでやる必要があるのだろうか。
偶然に合わせた場所で流れ続けていたテレビ画面を横目でチラチラと見ながら、私は「ドラフト会議は新たなスポーツ系のバラエティ番組になったのか」と感じてしまったのだ。
同時に、穿った見方だが、関係者が抱く「これ以上プロ野球を衰退させたくない」という “景気付け” や、いわゆる “大人の事情” が産んだ番組なんだろうかとも想像してしまった。
ほかのプロスポーツやそれに近い競技でここまで “就職と取り合い” が周知の話題になるスポーツはない。プロ野球がもっとも古くからあるプロスポーツだから特別視してもいいということなのだろうか。
ドラフト会議自体を否定するわけではないが、そろそろ “大人の事情” で番組を作る姿勢から脱却してもいいのではと感じているのは私だけだろうか。
──────────────────────────
[season13┃27 Oct. 2023┃12:50 JST]
┃TOKYO : TIME YELLOW┃
matsutiyama shoden, asakusa taito city.
Photographed on 28 Nov. 2021