∞∞この続きはコーヒーと一緒に∞∞

その日その時、感じたことを感じたままに。まるで誰かと語り合うコーヒーブレイクのように。

≡≡ 近頃は“えんみ”って言うのか ≡≡

違和感ありの言葉遣い

 数年前から若い人を中心にして“塩味”は“えんみ”と読むように変わってきました。初めて聞いた時は食品学や栄養学で使われている専門用語をそのまま使ったんだなとしか思わなかったのですが、どうも違っていたようでした。

 昔ながらに“しおあじ”や“しょっぱい”程度しか語彙になかったオジサンには違和感たっぷりのこの読み方、今では小学校でも教わっている読み方だとか。なんだか科学用語のようで「味気ない」言い方だと思いませんか。

 塩加減そのものを言う時だけに限って“えんみ”を使っているのなら理解できますが、醤油味なのか塩味なのかなどを区別する場合は“しおあじ”と言ってもらえらばいいのに、何もかもを“えんみ”で済ませようとしているように感じてなりません。この傾向が広がっていけば、“すっぱい”ものを“さんみが効いている”と言うべき時代が来るのかもしれません。

 いつの時代にも日本人はあらゆる場面で「訓読みする和語よりも音読みの漢語」とか「日本語よりもカタカナ表現した外来語」と言葉の置き換えを繰り返してきました。より専門的で賢い表現だと錯覚している場合もあれば、本来の意味を熟知せずに単にカッコいいからという場合もあると思います。
 “えんみ”もその延長線上にあるのではと感じているのは僕だけなんでしょうか。

 ややこしい時代になりました。僕はこれまでどおり“しょっぱい”や“しおあじ”を使い続けることにします。そのほうが幅広く豊かな言葉遣いができそうですからね。

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